【書籍】不信のとき (新潮文庫)

 ドラマ化されて話題になっておりますが、どんな話なのかちょっと興味が湧いて買ってみました。ドラマ自体はしょっぱなが「陳腐な昼メロみたいだなあ」と思うような感じですが、映画化もドラマ化もされるってことは原作はそれなりに面白いんだろうなーと。気楽に読み始めました。

 ドラマの設定では正妻が33歳、愛人が36歳という「そりゃー、若いし綺麗だし、そのうち正妻の元に帰るんじゃん?」というような設定ですが、原作では逆です。正妻が38歳、愛人が30歳。さらに正妻が不妊症で、愛人は「あなたの子供が欲しい」と迫るという、かなりせっぱ詰まった設定です。結局二人ともに子供は生まれるんですけど、この主人公がうかつにも愛人に何回も会社から手紙を書いちゃったり、正妻の子供が生まれてすぐに愛人の元に駆け込んで報告しちゃったりとかなりバカすぎて笑えます。でも、女ってめちゃくちゃ怖いなあ、とは思いつつ。あ、二人の直接対決もありました。

 オチを軽く言っちゃうと、男が一番悲惨な結末になります。正妻も愛人も結局は間に立った男を見限ります。ただ、その結末の付け方が秀逸。本当に救いがなくて、結論としては「というわけで大変なことになりますので、浮気も不倫もやめておきましょう」って感じです。男の人にとってはかなりシビアな結末だなーと。ちなみに相棒の小柳も一緒のタイミングで悲惨な目に遭って浮かばれません。浮気とか不倫はやるなら秘密を墓まで持っていけ、って感じでしょうねぇ。それにしても、ばれる要素満載な男の浮気ってなんであんなに脇が甘いんだろう。小柳なんて産ませた子供を正妻に預けて愛人に逃げられるっていう、なんともすごい憂き目に遭ってました。

 ちなみに、最近の浮気がばれる一番の理由は、携帯メールらしいです。(美容院で読んだ女性誌でランキングやってた) ピリピリピリピリ鳴り続けるメールで即バレだそうな。しかも、よく言われる主婦の浮気は「メールは送信メールに至るまですべて消去する」らしいのに、男性の浮気って「モテた証拠を残したい」のか綺麗に保存してあったりするそうです(笑。なんつうか、気持ちは分からんでもないけどアホだよねぇ(笑。

 というわけで、軽く(重いけど)人間ドラマを楽しみたい人にはオススメ。男性にはきついかも。古い小説なので言葉が綺麗で読みやすいです。有吉佐和子って初めて読んだけど、わりといい文章書くなぁ。情熱的すぎる描写が玉に瑕、かも。

 

【書籍】不信のとき (新潮文庫)」への4件のフィードバック

  1. 冷笑。
    人生、用心に越したことないね。
    送信メールから、パソの履歴まで、
    女がちゃんと消去するのは、逆の立場のとき、
    「まずそこから」捜索するからだよね。
    「シャワー浴びてもせっけん使わない」くらい気を使うばっちぃ男と、
    浮気したい女もそうはいないと思うけどね。

  2. >サトミ姫
    冷笑しとる(笑。
    私も読んでる間、主人公の浅井の浅はかさとバカさ加減に、笑いが止まりませんでした。
    しかしねぇ、ほんとに38歳で不妊の正妻で、愛人に子供が出来たって聞いたら卒倒すると思うよ。
    衝撃的すぎるっつうか(笑。
    シャワー浴びても石鹸使わない男だと、ランクが見えてちょっとやだよねー(笑。

  3. 有吉ファンの私が来ましたよ。
    「不信のとき」のドラマは見てないんですが、有吉佐和子は劇作家でもあったせいか今でもよく映像化されています。言葉通り、ドラマティックな作風ですよね。
    「男って馬鹿よね〜」ってことより、「女、怖えぇ〜っ」と思うことばかりです、有吉佐和子読むと。

  4. >sennaちゃん
    あ、ファンでしたか(笑。
    私は名前だけ知りつつずっと手に取る機会を逸してました。そうかー、劇作家だったのね。そういわれると描写にとても感情がこもっていて、ト書きを読んでるようだなあ、と思ってました。
    女って怖いわーと思いながら読む小説は私も大好きです。というか、女の怖さをきちんと描けない小説はなんとなくうさんくさく思えて。
    だから谷崎潤一郎とか三島とか好き(怖すぎ。

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